介護を必要とする老親などをかかえる従業員のために、介護休業制度が法律で義務づけられているが、この介護休業制度とは、どのような制度なのか。
高齢化や核家族化などの社会構造の変化により、家族の介護は労働者にとって、仕事を継続していくうえで大きな問題になってきています。家族の介護のために会社を退職することは、働く者にとっても企業にとっても残念なことです。介護は育児とともに労働者の就業を困難にする要因の1つになっています。そこで、労働者が働きながら介護を行うことを可能にするための介護休業制度は、労働者にとって、仕事と家庭を両立させるための環境を整備していくために重要なものになっています。
このような理由から、介護休業制度を設けることは、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」により、
- 介護休業
- 介護休暇
- 介護のための所定外労働の制限(残業の免除)
- 介護のための時間外労働の制限
- 介護のための深夜業の制限
- 介護のための所定労働時間短縮等の措置
など、介護を支援する措置が定められています。
<POINT1.育児・介護休業法の目的>
育児・介護休業法は、
- 育児休業および介護休業に関する制度ならびに子の看護等休暇および介護休暇に関する制度をもうけること
- 育児および家族の介護を行いやすくするため所定労働時間等に関し事業主が講ずべき措置を定めること
- 育児または家族の介護を行う労働者等に対する支援措置を講ずること
などにより、このような労働者が退職せずに済むようにし、その雇用の継続をはかるとともに、育児または家族の介護のために退職した労働者の再就職の促進をはかり、これらの者の職業生活と家庭生活との両立が図られるよう支援することによって、その福祉を増進するとともに、わが国の経済および社会の発展に資することを目的としています。
<POINT2.介護休業>
介護休業は、労働者が要介護状態(負傷、疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態)にある対象家族を介護するため、一定期間休業することができる制度です。
介護休業の期間は、対象家族1人につき、通算93日までです。休業することができる回数は、対象家族1人につき、3回までです。
<POINT3.介護休暇>
要介護状態にある対象家族の介護などを行う者が申し出た場合には、1年間に5日(対象家族が2人以上であれば10日)の介護休暇を取得することができます。詳しくは、後日ご紹介予定です。
<POINT4.介護のための所定外労働の制限>
要介護状態にある対象家族を介護する労働者(労使協定により適用除外とされた者を除きます。)が請求した場合、事業者は、その者に所定労働時間を超える労働をさせることはできません。
<POINT5.介護のための所定労働時間の短縮等の措置>
育児・介護休業法では、休業といった形で会社からまったく離れてしまうのではなく、介護のために所定労働時間を短縮する措置などを講ずることも義務づけています。
事業主は、対象家族を介護する労働者に関して、介護のための所定労働時間の短縮措置やフレックスタイム制等の労働者が就業しつつ介護をすることを容易にするための措置を講じなければなりません。
<POINT6.介護のための時間外労働の制限>
事業主は、要介護状態にある対象家族を介護する労働者(日々雇用される者を除きます。)で、次のいずれにも該当しないものが、その対象家族を介護するために請求したときは、事業の正常な運営を妨げる場合を除き、制限時間(1か月について24時間、1年について150時間)をこえて労働時間を延長してはならないこととされています。
- 事業主に引き続き雇用された期間が1年に満たない労働者
- 1.に掲げるもののほか、請求をできないこととすることについて合理的な理由があると認められる労働者
<POINT7.介護のための深夜業の制限>
対象家族を介護する労働者で、その対象家族を介護するために請求した場合には、深夜(午後10時から午前5時)に労働させることはできません。
※当記事作成日時点での法令に基づく内容となっております※
《参考となる法令・通達など》
- 育児・介護休業法1条、2条、11条、16条、20条、21条の2~23条
- 育児・介護休業則23条
- 平28.8.2職発0802第1・雇児発0802第3
