シフト制を含む交替制勤務を行う労働者やパートタイマー等の短時間労働者についても、3歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に対する「柔軟な働き方を実現するための措置」は適用されるのか。
シフト制を含む交替制勤務を行う労働者やパートタイマー等の短時間労働者についても、一部例外を除き、柔軟な働き方を実現するための措置の対象となります。
それぞれにこの措置を講ずるにあたっての留意点について解説で説明します。
<POINT1.柔軟な働き方を実現するための措置の対象労働者>
事業主には、柔軟な働き方を実現するための措置(3歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者等に関する措置)として、次の①~⑤の措置のうち2以上の措置を講ずることが義務づけられています。労働者は、事業主が講じた措置の中から1つを選択して利用することができます。
- 始業時刻変更等の措置(フレックスタイム制または始業・終業時刻を繰り上げ・繰り下げる制度(時差出勤の制度)のいずれかの措置)
- 在宅勤務等の措置
- 育児のための所定労働時間の短縮措置(以下「短時間勤務制度」という。)
- 労働者が就業しつつその子を養育することを容易にするための休暇(以下「養育両立支援休暇」という。)を付与する措置
- 保育施設の設置運営その他これに準ずる便宜の供与
この措置は、日雇労働者および次のア~ウのうち労使協定によって適用を除外した労働者以外の労働者が対象となります。
ア.その事業主に雇用された期間が1年未満の労働者
イ.1週間の所定労働日数が2日以下の労働者
ウ.業務の性質または業務の実施体制に照らして、時間単位で上記4.の養育両立支援休暇を取得することが困難と認められる業務に従事する労働者
<POINT2.シフト制を含む交替制勤務を行う労働者の取扱い>
柔軟な働き方を実現するための措置は、シフト制を含む交替制勤務を行う労働者も、上記の例外の労働者に該当しない限り、対象となります。
シフト制を含む交替制勤務の形態は多岐にわたることから一概にはいえませんが、例えば、交替制勤務(早番9時~17時、遅番13時~21時)の労働者について、通常であればいずれの勤務時間帯も一定割合以上の勤務が求められる場合に、希望したものは早番勤務のみとすることを認める措置は、始業時刻変更等を措置したことになります。
なお、シフト制を含む交替制勤務であることで各労働日の始業・終業時刻が異なることをもって始業時刻変更等の措置をしたことにはなりません。
また、始業・終業時刻を繰り上げまたは繰り下げる時間の範囲については、保育所等への送迎の便宜等を考慮して、通常の始業・終業時刻を繰り上げまたは繰り下げる必要があります。
シフト制を含む交替制勤務の職場において、上記2.の在宅勤務(テレワーク)等を行うことが業務の性質上困難な労働者については、それ以外の措置(上記1.、3.、4.、5.)から2以上を選択して措置することが求められます。
<POINT3.短時間労働者の取扱い>
柔軟な働き方を実現するための措置は、パートタイム労働者等の短時間労働者であって1日の所定労働時間が6時間以下のものについても、上記の例外の労働者に該当しない限り、対象となります。
事業主が短時間労働者も含めて、上記3.の短時間勤務制度(1日の所定労働時間を6時間に短縮できるもの)とそれ以外の措置(上記1.、2.、4.、5.)とを合わせて2以上講じた場合、柔軟な働き方を実現するための措置義務を履行したことになります。
なお、労働者の1日の所定労働時間が6時間以下であることをもって直ちに3.の措置を講じたことにはならず、事業主は3.の措置を含む5つの措置の中から2以上を選択して措置を実施する義務があります。
また、例えば、1日の所定労働時間が6時間以下の短時間労働者と、1日の所定労働時間が6時間を超える正社員がいる事業場において、正社員には3.短時間勤務制度以外の措置から2つの措置を講じつつ、短時間労働者には3.短時間勤務制度を含む2つの措置を講じるような場合、パートタイム・有期雇用労働法により(a)職務の内容、(b)職務の内容・配置の変更の範囲、(c)その他の事情、のうち、その待遇の性質および目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理な待遇差にあたらないようにすることが求められます。併せて、事業主においてその際の理由を労働者に対して合理的に説明できなければなりません。
※当記事作成日時点での法令に基づく内容となっております※
《参考となる法令・通達など》
- 育児・介護休業法23条の3
- 育児・介護休業則75条の2~75条の10
- パート・有期労働法8条
- 「令和6年改正育児・介護休業法に関するQ&A」(令和7年1月23日時点厚生労働省)
