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■自動運転の自動車に乗務する場合の労働時間について確認する。

 当社は、路線バス事業を行っているが、近年の運転士不足を補うため、自動運転バスの導入を検討している。

 自動運転バスに運転士が乗っていない場合でも、緊急時に対応できるようにするため、添乗員を乗務させる予定だが、この添乗員が自動運転バスに乗務している時間は、労働基準法上どのように取り扱われるのか。

 旅客自動車運送事業や貨物自動車運送事業等において、都道府県公安委員会の許可を受けて道路交通法による「特定自動運行」を行う場合は、労働者がその自動車に乗車している場合であっても「運転」「運転時間」として取り扱われません。

 ただし、この特定自動運行の自動車に労働者が使用者等の指示により乗車している場合は、車両から離れ得る状態になく、労働者による自由利用が保障されている時間とは考えられませんので、労働基準法の休憩時間には該当せず、労働時間になると考えます。

<POINT1.自動運転の自動車に乗車する時間>

 自動運転について、道路交通法では、レベル4(※)に相当する運転者がいない状態での自動運転を「特定自動運行」と定義し、「運転」には含まれないこととしています。また、特定自動運行を行う場合は、あらかじめ都道府県公安委員会の許可が必要とされています。

 自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(以下「改善基準告示」という。)においても、旅客自動車運送事業や貨物自動車運送事業等において、都道府県公安委員会の許可を受けて特定自動運行を行う場合は、労働者がその自動車に乗車している場合であっても「運転」「運転時間」として取り扱われません。

※レベル4

 SAEInternational(自動車等の技術者による米国の非営利団体)が策定した自動車運転のレベル分けに基づくもので、「レベル4」とは、特定条件(場所(高速道路のみ等)、天候(晴れのみ等)、速度などそのシステムによる自動運転が可能な条件)の下において、システムがすべての運転タスクを実施(すなわ、作動継続が困難な場合もシステムが対応)する状態をいう。

 

<POINT2.乗車する時間の取扱い>

 したがって、特定自動運行の自動車に乗車する労働者については、乗車中の時間は、運転時間にはあたりませんが、使用者等の指示により乗車している場合は、車両から離れ得る状態になく、労働者による自由利用が保障されている時間とは考えられませんので、労働基準法の休憩時間には該当せず、労働時間となります。

 お題の場合、会社の指示により、緊急時に対応できるようにするために添乗員を(特定自動運行の)バスに乗務させるとのことですから、上記のとおり労働時間として取り扱う必要があると考えます。

※当記事作成日時点での法令に基づく内容となっております※


《参考となる法令・通達など》

  • 労基法34条
  • 平元・2・9労告7(自動車運転者の労働時間等の改善のための基準)
  • 道路交通法2条、75条の12
  • 令7.3.11基発0311第79別添「改善基準告示(令和6年4月1日適用)に関するQ&A」令和7年3月11日追補)